- 作者: 村瀬嘉代子,青木省三
- 出版社/メーカー: 金剛出版
- 発売日: 2000/07
- メディア: 単行本
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青木:話したくない、あるいはどうしようかなと迷う時は、心の中にしまっておいたほうがいいよと始めに言っておくことも大切なように思います。
青木:実際に、なぜと尋ねると答えられないことが多いし、また尋ねること自体が咎めているように感じとられやすい。
青木:僕の1対1の治療のプロセスは、最初にあまり過剰な期待はもっていただかないように、「できることは限られているんですよ」ということから始まるのですが、
青木:僕は、かなり健康度の高い人の場合は、「君、ここに来なくて何とかやれると思ったら来なくてもいいんだよ」ということをまず言って、それから「君がもし、話せることがあったら、話してくれてもいいし、話したくなかったら話さなくてもいいんだよ」ということを言って、
青木:言いたくないことは言わなくてもいいということは、どの患者さんにも最初に言うんですね。分裂病の方にはもちろん言いますけれども、神経症の人にも言えることだけ言ってくれたらいいと言うようにしているんですが。でも、その方が逆によく話されるようです。
なぜそうするのだろう。おそらくそこには理論的な根拠があるはずだが、対談形式だとなかなかそこまでは出てこない。1人で書いた本なら、どんどん深いところに突っ込んでいくはずなので、そういう背景が見えるはず。対談だと、深くならずにやりとりをしながら流れていく傾向にある。読み手としては、気持ちの良い流れなのだが、深くならない。ごつごつしたところまで到達しない。
対談形式の本の特徴がかいま見えてしまった。